兼業主婦は時間との闘い！キャパオーバーを解消する方法

毎日時間との闘いで、ゆっくり休息する時間が取れない方も多いのではないでしょうか。

疲れやストレスが溜まった状態を放置すると、体調を崩しやすくなったり、イライラしやすくなるなど心身に大きな負担がかかります。

この記事では、そんなキャパオーバーの状態を改善する方法についてご紹介します。

結論

兼業主婦とは？

「兼業主婦」にはっきりとした定義はないようですが、家事や育児に専念する女性のことを専業主婦というのに対し、家事・育児に加えて仕事をしている女性のことを、一般的に「兼業主婦」というようです。

兼業主婦が増加した背景とは？

内閣府の調査によると、兼業主婦（共働き世帯）の割合は年々増加しており、2021年には64歳以下の世帯のおよそ7割が共働きであったとされています¹⁾。

共働き世帯の増加には、どういった背景が関係しているのでしょうか。

• 価値観の変化
• 物価上昇や教育費の高騰
• 女性活躍促進の取り組み

価値観の変化

昔の日本では「男性が外で働き、女性は家庭を守るべきである」という価値観が根付いており、結婚したら仕事をやめて専業主婦になる女性が多かったようです。

しかし最近ではそういった価値観に疑問をもつ人が、若い世代を中心に増加しています。

また家事や子育てに対する男性側の意識も変化しており

• 男性も家事・育児を行うことは当然である
• 男性が家事・育児を行うことは、子どもに良い影響を与える

という意識が浸透しつつあるようです²⁾。

兼業主婦として働く女性が増えた理由の一つに、こういった社会的価値観の変化が挙げられます。

物価上昇や教育費の高騰

近年の物価上昇は家計を大きく圧迫しており、夫婦一方の収入のみでは生活が難しく、共働きを選択する家庭が増加しています。

また大学への進学率は年々増加していますが、子どもに高等教育を受けさせるためには多額の教育費が必要です。塾や習い事などに通わせる場合も、毎月かかる費用は安くはありません。

このように共働き世帯増加の背景には、経済的要因が大きく関わっています。

女性活躍促進の取り組み

女性の社会参画推進を応援する法律や、共働き世帯を支援する制度などが推進されてきたことも、共働き世帯の増加を後押ししてきたとされています。

• 「育児・介護休業法」の改正によって、時短勤務や始業時間の変更などを利用することが可能
  →出産後も仕事を継続しやすくなった
• 男性の育児休暇取得が推進されている
  →以前よりも夫婦が協力して仕事と子育てを両立しやすくなってきた

このようなことも、理由の一つと考えられます。

兼業主婦のメリット

兼業主婦のメリットは以下のようなことが挙げられます。

• 世帯収入UP
• リスクを分散することができる
• 生きがいを感じることができる

世帯収入UP

家計を支える人数が2人になるため、世帯収入を増加させることができます。世帯収入が増加すると、経済的にゆとりのある生活を送ることができるでしょう。

また専業主婦だと公的年金は国民年金のみとなりますが、働き方によっては兼業主婦は厚生年金も受給することができます。

このため兼業主婦でいることは、退職後の生活にも大きなメリットをもたらします。

リスクを分散することができる

万が一、夫婦のどちらかが病気になって働けなくなったり、勤務先が倒産したとしても、共働きをしていれば収入がゼロになることはありません。

このためゆっくり療養に専念できたり、再就職先を焦らずに探すことが可能となります。

生きがいを感じることができる

働いていると大変なことも多いですが、仕事をやり遂げた時に達成感を感じたり、長く続けることで自分の成長を感じられたり、仕事にやりがいを感じる場面も多いと思います。

またお客様から感謝されたり、自分が行った仕事が評価さたりすることは、自信にもつながります。

兼業主婦のデメリット

兼業主婦のデメリットは以下のようなものが挙げられます。

• 家事や育児の負担が大きい
• 自分の時間をとることが難しい
• ストレスや疲れがたまりやすい

家事や育児の負担が大きい

家事や育児をしながら仕事を続けることは、本当に大変なことだと思います。

仕事は手を抜くことができないため、仕事が終わると肉体的にも精神的にも疲れを感じることでしょう。それでも帰宅するとおなかをすかせた家族が待っているので、夕食の準備をしなければならず休んでいる時間がありません。

小さなお子さんがいらっしゃる場合は、下記のような細やかなお世話も必要です。

• 食事を食べさる
• お風呂に入れる
• 寝かしつける
• 宿題をみる

自分の時間をとることが難しい

ある調査によると、「育児中のママには1日に自分だけの時間がどのくらいありますか」という質問に対して、6割近くの方が「1時間未満」と回答していました。

一方で「自分だけの時間がどのくらいほしいですか？」という質問に対しては、「2～3時間ほしい」と回答している方が最も多く、「やりたいことをできる自分の時間」が不足していることがわかります³⁾。

ストレスや疲れがたまりやすい

• 仕事上のストレス
• 育児のストレス
• 対人関係のストレスなど

日常には様々なストレスがあると思います。

ストレスを感じたらしっかり休養をとったり、リフレッシュをしたりしなければ、体調を崩してしまうこともあるでしょう。兼業主婦をしていると忙しく、そういった時間をとることが難しいため、ストレスが溜まってしまうことも多いようです。

またやることが多く、睡眠時間を削って家事をこなされている方もいらっしゃると思います。

睡眠不足は、疲れやすくなるだけでなく、注意力が低下したり、イライラしやすくなるなど、心身ともに大きな影響を与えるとされています。

キャパオーバーの現状を改善するためには

キャパオーバーの現状から抜け出すためには、どういったことを改善していけばよいのでしょうか。

考えられる改善ポイントをご紹介いたします。

• 家事や育児の分担を見直す
• 家事の負担を減らす
• 自分自身のケアも大切に

家事や育児の分担を見直す

まずは現状について、パートナーとしっかり話し合い、家事や育児の分担を見直すことが大切です。しかし自分の気持ちを伝えることが苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そういった方には、内閣府が作成した「夫婦が本音で話せる魔法のシート「〇〇家作戦会議」」⁴⁾がおすすめです。こういったツールを用いて話をすることは、気持ちを伝えるきっかけになると思います。

理想的な暮らし方や家事・育児の分担について、パートナーと一緒に考えることで、2人にとって丁度よい協力体制が見いだせるかもしれません。

家事の負担を減らす

中にはこのように考えて、全部自分でやってしまう兼業主婦の方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方は、時短家電や、食事を簡単に準備できるようなツールの利用を検討してみましょう。家事の負担を減らすことで、時間にゆとりが生まれるためキャパオーバーの改善につながる可能性があります。

自分自身のケアも大切に

キャパオーバーになりやすい方の特徴の一つとして、「完璧主義」があります。

家事に育児に仕事に・・・と、頑張り過ぎてしまっているのかもしれません。

家族のために頑張ることはとても良いことだと思いますが、自分自身のケアも大切です。キャパオーバーを感じたら、無理せず心身をしっかり休ませてあげましょう。

例えばいつもよりもしっかり睡眠をとることで、起床時の疲労感も軽減されるのではないでしょうか。

食事作りを時短して、キャパオーバーを解消しましょう！

家事の中でも一番時間がかかるのが料理であり、献立作成から後片付けまでを含めると平均2時間13分かかるといわれています⁵⁾。料理の時間を短くすることができれば、時間にゆとりを持つことができますね。

以下では、食事作りを時短するポイントについてご紹介します。

• 時短家電を利用する
• 便利食材を利用する
• スーパーのお惣菜やコンビニ弁当を利用する
• レトルト食品、インスタント食品を利用する
• ミールキットを利用する
• 宅配食品を利用する

時短家電を利用する

家事にかかる時間や手間を大幅にカットできるとして、人気が高まっている時短家電。

食事作りを時短するものとしては、以下のようなものが発売されています。

自動調理鍋

火を使っている間はコンロの前を離れると通常は危険ですが、自動調理鍋は材料と調味料を入れてスイッチを押せば、ほっておいても自動で調理をしてくれます。

自動調理鍋が料理を作ってくれている間に、他の家事を済ますこともできますね。

フードプロセッサー

フードプロセッサーを使えば、みじん切りや大根おろしなどを簡単に作ることが可能です。

最近は、スライスや千切りができるカッターが付属したものも発売されているようです。

食器洗浄機

調理はいいけど、後片付けが面倒・・・という方におすすめなのが、食器洗浄機です。

手荒れしやすい方にとっては、食器洗浄機を使用することで洗剤に触れる機会が減るので、手荒れ予防になるのも嬉しいポイントです。

便利食材を利用する

食材の下処理は必要なことですが、意外と手間がかかるので面倒に感じる方も多いのではないでしょうか。

特に野菜は健康のためにたくさん取り入れたいとは思うものの、

• 洗ったり
• 皮をむいたり
• 下茹でしたり・・・

たくさんの手間がかかります。

そんな方におすすめなのが、カット済み野菜や冷凍野菜です。カット済み野菜は洗ってあることも多いので、すぐに調理に使用することができます。

冷凍野菜は日持ちもしますし、使いたい分だけすぐに使うことができるので、冷凍庫に常備しておくと便利ですよ。

スーパーのお惣菜やコンビニ弁当を利用する

最近は遅くまで営業しているスーパーがあり、コンビニは24時間営業なことが多いので、帰宅が遅くなった日は無理せずお惣菜やコンビニ弁当を利用するのも良いですね。

しかし出来合いのお惣菜を購入することに、罪悪感を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方は、時間のかかる煮物類や、後片付けが大変な揚げ物類などは惣菜を利用するというような「1品だけ取り入れてみる」という方法はいかがでしょうか。

レトルト食品、インスタント食品を利用する

レトルト食品やインスタント食品は、一般的に賞味期限が長いので、常備しておくと便利な食品です。

常温保存できるので、備蓄食品として数日分用意しておくと安心ですね。

電子レンジで温めたり、お湯を注いだりするだけで完成するものが多いのです。普段料理をしない方に食事準備をお願いする場合は、これらを利用することでお互いに負担が少なくなります。

ミールキットを利用する

ミールキットは調理が簡単になるように、必要な分量の食材や調味料がセットになっているキットのことです。

食材がすでにカットされていたり、調味料も計量されているものもあるため、短時間で食事を準備することが可能です。

店頭で購入可能な商品もありますが、自宅まで届けてくれる通販形式が主流となっているため、買い物に行く手間も減らすことができますね。

宅配食品を利用する

最後にご紹介するのは宅配食品（宅配食事サービス）です。

宅配食品は自宅や職場などの指定した場所にお弁当を届けてくれるサービスで、「温めるだけで食べることができる」「後片付けが楽」と、食事作りを大幅に時短することが可能です。

宅配食品ってどんなサービス？

宅配食品の認知度は44％^6）と言われているため、どのようなサービスかご存じない方も多いのではないでしょうか。

宅配食品の特徴について、確認してみましょう！

• 温めるだけで食べられる
• 栄養のバランスを簡単にとることができる
• 家族に合わせた食事を簡単に用意できる
• 豊富なメニューと満足できるおいしさ

温めるだけで食べられる

宅配食品には冷蔵タイプのお弁当を毎日届けてくれるサービスと、冷凍タイプのお弁当を定期的に宅配してくれるサービスがあります。

電子レンジで温めるだけで食べることができるため、調理が非常に簡単です。

ただし宅配食品はおかずのみのセットであることが多いので、白ご飯などの主食は用意しておく必要があります。

宅配食品の内容は、事前に確認しておきましょう。

栄養のバランスを簡単にとることができる

管理栄養士が考案したメニューを提供するサービスも多いため、宅配食品を利用することで栄養バランスの整った食事を簡単に用意することが可能となります。

エネルギーや塩分が計算されていたり、野菜が多い商品もあるので、家族の健康に気を使っておられる方にオススメです。

家族にあわせた食事を簡単に用意できる

大人の食事を用意するだけでも大変ですが、そこへ特別な手間が必要な離乳食や介護食などを用意するとなると、さらに大変ですよね。

またご家族に糖尿病や腎臓病の方がいらっしゃる場合は、特別な栄養管理が必要となる場合もあります。

宅配食品業者によっては、子ども向けのものや、噛みやすさや飲み込みやすさに配慮したもの、エネルギーや特定の栄養素を制限したメニューを提供している業者もあるので、上手に取り入れたいですね。

豊富なメニューと満足できるおいしさ

食事は毎日のことなので、「飽きずに続けられること」や「満足できるおいしさ」は非常に大事なポイントですよね。

宅配食品は日替わりメニューを用意しているところや、和洋中がそろった数十種類のメニューから選ぶことができるもの等、様々なサービスが展開されています。

また有名シェフや料理人が監修した宅配食品サービスも増加しており、宅配食品を利用することで栄養バランスとおいしさの両立が簡単にできるところも、魅力の一つです。

宅配食品に興味が湧いたら・・・

以下の記事でおすすめの宅配食品サービスを紹介しています。

様々な企業がサービスを展開していますので、価格や特徴などをチェックし、自分にあったサービスを選びましょう。

まとめ：時間のゆとりは、心のゆとり

兼業主婦は、家事・育児・仕事と毎日大忙し。

自分だけの自由な時間を持つことができなかったり、睡眠時間をしっかり確保することが難しかったり・・・と、ゆっくり休息できる時間が十分確保できないことも多いでしょう。

時間にゆとりができると、心にもゆとりが生まれます。

キャパオーバーにならないためにも、自分にあったサービスやツールを利用して家事の負担を減らし、時間にゆとりのある生活を目指しましょう！

【参考文献】

1) 結婚と家族をめぐる基礎データ（内閣府男女共同参画局）

2) 男性の暮らし方・意識の変革に向けた課題と方策 ～未来を拓く男性の家事・育児等への参画～（男女共同参画会議）

3) 子育てママの自分の時間の使い方（ユニ・チャーム）

4) 夫婦が本音で話せる魔法のシート「〇〇家作戦会議」（内閣府男女共同参画局）

5)「＃真実のレシピ」調査（旭化成ホームプロダクツ株式会社）

6) 成長する冷凍宅職サービス、冷凍食品が次に求められる要素とは？（NRIインサイトシグナル調査）